トレーニングを始めるにあたり「最低限行うべきチェック」とは?
この春、「カラダを変えるためにトレーニングを始めよう!」とお考えの方もいらっしゃるのでは。
トレーニングを始める前に、是非行って欲しいことがあります。それは「姿勢の状態をチェックすること」です。
ではなぜ姿勢をチェックする必要があるのか、チェックはどのようにして行うのか、詳しくお伝えしたいと思います。
- 2021-03-25
- 町田晋一
「姿勢チェック」を行う理由
それではなぜトレーニングを行うにあたり、姿勢のチェックを行う必要があるのでしょうか。
その理由は、いきなりトレーニングを始めても、エクササイズ効果が得られないばかりか、腰や膝、肩などを痛めてしまう可能性が高くなると言えるからです。
例えばダイエットに有効なエクササイズである「スクワット」を、背中が丸まった猫背の姿勢のままで行うと、ターゲットとなる大殿筋やハムストリングスなどには効かないばかりか、腰や膝への負担が大きくなってしまいます。
効果的なフォームでエクササイズを行おうとしても、「カラダのクセ」が勝ってしまうのです。
カラダのクセは「カラダのゆがみ」と言い換えることができ、姿勢の中に潜んでいます。そのためエクササイズを安全かつ効果的に行うために、まずは姿勢のチェックを行う必要があるのです。
どこでも誰でもできる簡単チェック法
「そうは言っても、姿勢のチェックを行うには、特殊な技術や用意すべきものがあるのでは…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
安心してください!特殊な技術も用意すべきものもありません!
今回ご紹介するチェック法は、誰でも簡単に、そして壁さえあればどこでもできるものです。それではご紹介しましょう。
壁を使った簡単姿勢チェック法
上の写真のように、壁にかかと、お尻、肩(肩甲骨)、そして頭を付けて立ちます。ここで「頭が壁につきにくかった」という方は、猫背の可能性大です!
そこから更にバンザイするように両腕を上げてみましょう。「そうすると腰と壁の間の隙間が大きくなってしまう」という場合、頭が壁につきにくいとは感じなくても猫背の姿勢になっている可能性が考えられます。
次に、両腕を下ろして壁と腰の隙間に片手を入れてみましょう。
上の写真のように、指を曲げた、いわゆる「猫の手」が入る場合はニュートラルで正常な状態です。
上の写真ではわかりにくいですが、「握りこぶしがスッポリと入ってしまう」という場合、骨盤が強く前傾している状態であると言えます。
この状態のまま腹筋エクササイズをしても、腹筋に効かない上、腰を痛めてしまう可能性があります。
逆に手が入るか入らないかぐらいに隙間が狭くなっている場合、骨盤が後傾している状態と言えます。
骨盤が後傾したままスクワットを行っても背中が丸まりやすくなるので、腰を痛めてしまう可能性が高くなってしまいます。
いかがでしょうか。ご自身の姿勢状態をチェックできましたか。
「カラダのゆがみ」を整えるストレッチとエクササイズ
姿勢チェックを行ってカラダのゆがみを把握したら、それをストレッチとエクササイズで改善させていきましょう。
「猫背」改善に導くストレッチとエクササイズ
(1)猫背リセットストレッチ
テニスボールを1つ用意しましょう。
- それを左右の肩甲骨の間の胸椎という部分に合わせて、床に仰向けになります。両膝は立てておき、両腕は手のひらを天井に向けてカラダの横に構えます。
- 息を大きく吸いながら、両腕を大きく開くように頭上に向かって上げていき(写真上)、息を吐きながら頭上にある両腕を閉じるように下ろしていくという動作(写真下)を3回行うだけです!
両腕をできるだけゆっくり大きく動かすようにしましょう。
(2)肩甲骨内転エクササイズ
- うつ伏せになり両腕を肩のラインに広げて、親指側を天井に向けます。胸は床から離しておきましょう。
- 息を吸いながら肩甲骨を内側に寄せることで両腕を上げていき、上げ切った状態を3秒間キープし(写真上)、息を吐きながら床スレスレまで下ろします(写真下)。
上体を起こし過ぎないように注意しましょう。上体を起こし過ぎると、肩甲骨内転筋群ではなく腰の筋肉に効いてしまい、場合によっては腰への負担をかけてしまうからです。
15~20回を1分程度の休憩を入れながら、3セット行います。
強く前傾した骨盤を整えるストレッチとエクササイズ
(1)腸腰筋への静的ストレッチ
- 両脚を前後に開いて前脚の膝を立てて、後ろ脚の股関節を伸ばします。
- 両手を立てた膝の上に乗せて、重心を上体の真下に下ろし骨盤を後傾させることで、後ろ脚の太もも付け根前面にある腸腰筋がストレッチされます。
骨盤を後傾させるコツは、目線をお腹に向けることです。
左右それぞれ、太もも付け根前面が気持ち良く伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間伸ばし続けるようにしましょう。
(2)骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチ
上の写真のように四つん這いの体勢を作り、腰を軽く反らせて丸めるという動作を10回繰り返します。
腰を丸める動きを少しずつ大きくしていくことが、可動域を広げるポイントです。
(3)骨盤後傾エクササイズ
両膝を立てて仰向けになり、息を吐きながらお腹の力を使って腰を床に押し付けた状態(写真赤矢印参照)を3秒間キープし、息を吸いながら力を抜くという動作を繰り返します。
「腰を床に押し付ける」という動きがわかりにくい場合は、写真のように腰と床の間に手を入れて、その手を押し潰すようなイメージで動作を繰り返してみましょう。
腰を床に押し付けていくと、腰とお尻の間にある「仙骨」という骨が床から離れていくのがわかると思います。これが骨盤後傾の動きです。
15~20回を1分程度の休憩を入れながら、3セット行います。
後傾している骨盤を整えるストレッチとエクササイズ
(1)大殿筋への静的ストレッチ
- 仰向けになって脚で「4の字」を作り、下になっている膝を立ててその膝裏に両腕を回します。
- そこから胸に向かって脚を引き付けることで、お尻の筋肉である大殿筋がストレッチされます。
左右それぞれ、お尻の筋肉が気持ち良く伸ばされていることが感じられる強度で、30秒間伸ばし続けるようにします。
(2)骨盤前傾方向への動きを高める動的ストレッチ
上の写真のように四つん這いの体勢を作り、腰を丸めて反らすという動作を10回繰り返します。
腰を反らせる動作を少しずつ大きくしていくことが、可動域を広げるポイントです。
(3)骨盤前傾エクササイズ
- うつ伏せになり両腕と両脚を伸ばします。このとき、親指側を天井に向けるようにします。
- そこから両肘と両膝を床から浮かした体勢を30~60秒キープします(写真上)。
両肘と両膝をただ真上に上げるのではなく、ある程度床から浮かしたら、両腕と両脚を遠くに伸ばすようにします。そうすることで腰への負担が少なくなる上、脊柱(背骨)を伸ばし骨盤を前傾させる「脊柱起立筋」に効かせることができるようになるからです。
30~60秒キープを1分程度の休憩を挟みながら、3セット行いましょう。
せっかく始めたトレーニングを挫折してしまう原因
今回はトレーニングを始める前に、最低限行っておきたい姿勢チェック法をご紹介しました。
スポーツジムなどに入会しても、ご自身のカラダのクセを知らずに、筋トレや有酸素運動を行っているという方がほとんどではないでしょうか。
そうするとエクササイズをしても効果が感じられないばかりか、腰や肩などへの負担が感じられることになってしまい、せっかく始めたトレーニングを挫折してしまうということになるのです。
そうならないようにするためにも、まずは姿勢チェックを通じてカラダのクセを把握し、ニュートラルな状態に整えておくようにしておきましょう!
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お腹痩せトレーナー。 1972年埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。 東京都渋谷区・新宿区のパーソナルジムで、ぽっこりお腹に悩む女性のお腹痩せ成功をサポートしている。食事制限をしない、無理なくお腹瘦せできる独自のメソッドを提唱。 これまでぽっこりお腹に悩んでいた女性の腹囲を、2ヶ月で平均−5.6㎝のお腹痩せ成功に導く。 パーソナルトレーニング指導歴23年。