セカンドミール効果って何!?ダイエットは最初に食べる食事が重要!?
1日の始まりにとる食事が、その後の食事の血糖値に影響することが分かってきました。すなわち、朝食の内容が大切ということです。
近年、欠食する人も増えてしまった朝食。牛乳や豆乳でもセカンドミール効果が期待できるので、まずは手軽に始められることから意識してみてはいかがでしょうか。
- 2019-06-13
- naomiimai
近年、若者を中心に朝食の欠食が増えています。どうしても、朝はバタバタしてしまい、朝食は後回しになりがちですよね。
でも、実は1日のはじまりに食べる食事が、その後の食事の血糖値にも関係していることが分かってきたのです。
今回は、そんな「セカンドミール効果」について解説していきます!
セカンドミール効果とは!?
ファーストミール、セカンドミールについて
1日に最初に食べたものを「ファーストミール」、次の食事を「セカンドミール」とよびます。近年、ファーストミールの内容によって、セカンドミールの血糖値にも影響を与えることが分かってきました。
簡単にいえば、朝食の内容が、昼食や夕食の血糖値にも関係しているということです。血糖値をコントロールすることは、ダイエットにとても効果的です。
血糖値をコントロールするメリットとは?
食事をすると誰しも血糖値は上がりますが、時間の経過とともに、正常値にもどります。これは、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンのはたらきによるものです。
インスリンは、体に余剰な糖質は脂肪に変えて、体内にたくわえ、血糖値を下げます。要するに、インスリンが過剰に分泌されると、太る原因となるので、ダイエット中の人は要注意なのです。
また、インスリンの分泌が追いつかないと、血糖値が高い状態が長く続きますよね。糖尿病だけでなく、血管をもろくする動脈硬化や高血圧など、病気のリスクとなってしまいます。
朝食が肝心!何を食べるのがおすすめ?
では、ファーストミールにどんな食材を食べるのが良いのでしょうか?
大麦
大麦を含むご飯、グラノーラなどが主食としておすすめです。ご飯に混ぜて食べる場合、食べにくければ、「白米:大麦=3:1」くらいにしてもかまいません。
最近では、大麦を使った菓子類も多く販売されています。大麦は食物繊維も豊富なので、腸内環境を整えます。腸の動きも良くなるので、便秘解消にも有り難いですね!
朝食に大麦を食べるグループと、小麦パンを食べるグループでは、昼食で糖質の吸収は44%抑えられたという報告があります。
豆類
ファーストミールに、大豆せんべいを食べるグループと、そうでないグループを比較したところ、前者は2回目の食事の血糖値が下がったという報告があります。大豆に含まれる「大豆オリゴ糖」が関係していると考えられています。
豆類は不溶性食物繊維も豊富で、血糖値が急に上がることを防ぐため、ファーストミールにはおすすめです。
普段の食事プラス豆乳または納豆
「普段の食事のみ」よりも、豆乳か納豆を加えたほうが、昼食後の血糖値にセカンドミール効果がみられたとの報告があります。朝食の内容を変えなくても、プラスするだけで良いとは、嬉しいポイントです。
牛乳
牛乳にはたんぱく質が豊富です。朝食にシリアルと一緒に牛乳を摂った場合、セカンドミール効果が得られるという報告があります。
この研究では、牛乳の量は「コップ1杯(約250ml)」とされています。どんなに忙しい朝でも、牛乳1杯飲んでおけばOK、と思うと、簡単に実行できそうですね!
おくら・なめこ
おくらのネバネバは、「ムチン」という成分です。ムチンの主成分は食物繊維に分類されていて、セカンドミール効果を発揮します。
昆布、もずく、めかぶ
海藻類のネバネバは、「フコイダン」という成分です。血糖値が急に上がることを抑えるほか、腸内の環境も整えます。
頑張りすぎない!長く続けるには「手抜き」が重要!?
これまで、朝食に摂ったほうが良いものを挙げてきました。「朝ベジ」なんて言葉も、流行していますよね。
自分に合った方法であれば続けられますが、実際はなかなか続かないもの。手抜きして、「いつも手軽にできる」ということも大切な心がけです。
例えば、
- 豆類を食べるときは、市販のサラダ用大豆を使う
- 海藻類を食べるときは、もずくなど食べやすいサイズのパックで売られているものを
- 時間がないときは、牛乳オンリーでも良しとする
などです。
いずれも、朝食を食べないよりも断然、ダイエットや健康にも良いです。自分自身が、楽に続けられる方法を見つけることが大切です!
セカンドミール効果でダイエット以外にも期待できること
ダイエットには、ファーストミールが重要であることを述べてきました。セカンドミール効果は、ダイエット以外にも体に良い影響があります。
肥満予防
朝食を欠食しないことで、日中の食欲が抑えられ、スナック菓子など余計なエネルギーを食べなくて済みます。
また、朝食にたんぱく質を多く含む食事をすると、欠食した人よりも食欲抑制ホルモン「グレリン」が多くなることも分かっています。
ダイエット中、食事を減らすとどうしてもお腹がすきますよね。ついつい、お菓子に手が伸びてしまったり…。食欲抑制ホルモンが分泌されるのは、ダイエット中にはありがたいですね!
糖尿病などの生活習慣病対策
血糖値をコントロールできるので、糖尿病予防になります。年齢とともに、どうしても血管は弱くなっていき、糖尿病や高血圧などの病気になるリスクは上がります。
ダイエットだけでなく、健康にも良いセカンドミール効果。手軽に実践できるので、長く続けていきたいですね!
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元病院勤務の管理栄養士。栄養指導、チーム医療、献立作成、学会発表など管理栄養士業務を経験。妊娠を機に退職、現在はフリーランスで1児の母。 糖尿病療養指導士、サプリメント管理士の資格有り。 根拠のある「内面からの美容」の情報をお届けいたします。