腸活の新メソッド!腸を「鍛える」酪酸菌とは!?酪酸菌を増やす方法!
近年、流行している腸活。これまでの腸活は、乳酸菌やビフィズス菌を摂取して「腸の環境を整える」ことが主流でした。今後は、「腸そのものを鍛える」腸活が注目されるといわれています。
そこで注目を浴びているのが酪酸菌。一体、どのようなはたらきがあるのでしょうか?
- 2019-09-05
- naomiimai
酪酸菌とは?
食物繊維をエサとして、酪酸を生み出す菌のことで、短鎖脂肪酸の1つです。短鎖脂肪酸とは、「腸内細菌が難消化性炭水化物を分解してできるもの」です。
炭水化物には、人の消化酵素で消化できるものと、簡単に消化・吸収ができない難消化性炭水化物があります。腸内細菌は、難消化性炭水化物の分解を助けるはたらきがありますが、その過程で、短鎖脂肪酸が生み出されます。
酪酸菌、プロピオン酸、酢酸などを短鎖脂肪酸といいます。
短鎖脂肪酸のはたらき
- 大腸のエネルギー源
- 腸のぜん動運動を助ける
- 粘液の分泌
- 水・ナトリウムの吸収を助ける
- 腸の上皮細胞の新陳代謝を良くする
短鎖脂肪酸が不足すると、大腸のバリア機能が落ちてしまいます。バリア機能が落ちると、腸管の壁から病原菌が侵入しやすくなってしまうため、体調を崩す原因になります。
大腸の細胞はエネルギーの約6~8割を酪酸から得ているため、短鎖脂肪酸の中でも特に酪酸菌が注目されています。
酪酸菌が腸を「鍛える」メカニズムとは?
これまでの腸活は、乳酸菌やビフィズス菌を摂取して、腸を整える方法が主流でした。しかし、酪酸菌は腸そのものを鍛えるため、注目されています。
では、どのようなメカニズムで腸を鍛えるのでしょうか?
- 酪酸菌から酪酸が作られる
- 酪酸は大腸の細胞の代謝を良くするため、腸内の酸素の濃度が低くなる
- 酸素が苦手であるビフィズス菌などの善玉菌のはらたきが活発になる
- 善玉菌が活発になることで腸内環境が整えられる
このようなステップで、腸そのものの代謝を良くするなど、「腸を鍛える」わけですね。
短鎖脂肪酸の中でも、酪酸は特に腸の運動を活発にし、便通を良くするため、腸を鍛えるのに向いています。
酪酸菌が生み出す、腸に良い影響を与えるものとは?
酪酸菌が生み出した産物は、善玉菌のはたらきをサポートし、悪玉菌のはたらきを抑制します。その他、ビタミンも生み出します。
1. オリゴ糖
イソマルトースやマルトトリオースと呼ばれるオリゴ糖を作り出します。善玉菌であるビフィズス菌のはたらきをサポートするといわれています。
2. ビタミンB2・B6・B12
粘膜を正常に保つはたらきや、たんぱく質の代謝、貧血予防に関わるビタミンです。
3. ビタミンC
鉄の吸収を良くしたり、美肌効果、抗酸化作用のあるビタミンです。
4. 酢酸
腸内で病原菌が繁殖することを防ぎ、腸内環境を良く保ちます。
5. γ-アミノ酪酸(GABA)
発芽玄米にも含まれるアミノ酸で、「ギャバ」とも呼ばれています。神経伝達物質であり、脳の興奮を抑え、ストレスを和らげる効果があるといわれています。
酪酸菌を増やす方法
食事からのアプローチ
食物繊維は、酪酸菌のエサになります。食物繊維には水溶性・不溶性の2種類がありますが、どちらかだけを多く摂るのではなく、バランスよく2種類を摂取することが大切です。
- 水溶性食物繊維が多い食品:果物・海藻類
- 不溶性食物繊維が多い食品:豆類・穀類
酪酸菌そのものを含む食品は、ぬか漬けと臭豆腐くらいしかないため、酪酸菌が含まれているサプリメントを摂取しても良いでしょう。
運動
中等度~強度の運動を30~60分間・週3回続けると、運動期間中は酪酸菌が増えたという研究報告があります。運動をやめた後は、酪酸菌は減少したとのこと。
また、ラクビー選手と座り仕事などが多い人の腸内を比べると、酪酸が多かったということも分かっています。運動と酪酸菌は深い関係があることが分かりますね。
まとめ
これまでは「腸を整える」がメインであった腸活。今後は、酪酸菌による「腸を鍛える」ことが注目されるでしょう。
食品では摂りにくいため、酪酸菌が配合されたサプリメント摂取や、運動によって酪酸を増やすことが可能です。腸活中の人、腸活に興味のある人はぜひ酪酸菌に注目してみてくださいね。
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元病院勤務の管理栄養士。栄養指導、チーム医療、献立作成、学会発表など管理栄養士業務を経験。妊娠を機に退職、現在はフリーランスで1児の母。 糖尿病療養指導士、サプリメント管理士の資格有り。 根拠のある「内面からの美容」の情報をお届けいたします。