結局どちらが正しい!?フルーツを食べるのは食前or食後!?
フルーツにはビタミンや食物繊維が豊富で、美容やダイエットにも向いています。しかし、食前に食べると血糖値が上がるのでは…?食後のほうが良いのか?と悩む人も少なくありません。近年は先にフルーツを食べる「先フルダイエット」も話題になっていますが、食前・食後どちらが良いのでしょうか?
今回は、そんな疑問を管理栄養士の筆者がまとめました。
- 2019-08-15
- naomiimai
そもそもフルーツはダイエットに向いている?
フルーツは太るのでは?と思う人も多いでしょう。確かにフルーツは果糖という糖が含まれていますが、ダイエットや美容に魅力的な栄養素が豊富に含まれているため、メリットのほうが大きいといえます。
では、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?
ビタミン類
フルーツにはビタミン類が非常に多く含まれています。食事だけで補いにくいビタミンも、フルーツを食べれば補えることもあります。
ビタミンC
強力な抗酸化作用があり、シミの原因であるメラニン色素の生成を抑えます。美肌作りには欠かせないビタミンです。
ビタミンB群
ビタミンB1は糖質の代謝、ビタミンB2は脂質の代謝に関わっているため、ダイエット中には嬉しいビタミン群です。ビタミンB6はたんぱく質の代謝、ビタミンB12は赤血球の生成に関わっています。
ダイエット中は、代謝を上げたいため、食事で補いきれないビタミンをフルーツで摂れると良いですよね!
ビタミンE
血流を良くするため、代謝をUPするはたらきや、冷え性改善にも◎。体の老化に関わる活性酸素が作られるのを抑えるなど、アンチエイジングにも欠かせないビタミンです。
食物繊維
野菜と同様、フルーツにも食物繊維が豊富です。特に、水溶性食物繊維が多いのが特徴。柑橘類やりんごなどの皮に含まれるペクチンが代表的です。
悪玉菌の活動を抑制し、便秘や下痢を予防し腸内環境を整えます。
カリウム
体内の余分な水分を、体の外に出すはたらきがあるカリウム。むくみやすい人、血圧が高い人に嬉しいミネラルです。
フルーツを食べると血糖値が上がるのは本当?
結論的には、「血糖値はもちろん上がるが、過度な血糖値上昇はない」といえます。
食事をすると血糖値が上がるのは誰しも当然のことです。フルーツには果糖という糖が含まれているため、血糖値は上がりますが、問題は「食後の過血糖」です。「血糖値スパイク」とも呼ばれ、食後に過度に血糖値が上がることをいいます。
血糖値スパイクは、
- 過度にインスリンが分泌されることで、余分な糖を体内に脂肪として溜め込んでしまう
- 過度なインスリン分泌により血糖値が下がり、またお腹が空いて「食べたい」と思う
ことから、太る原因となります。
フルーツに含まれる果糖は、実は血糖値はそこまで上昇しやすいわけではありません。フルーツを食べた30分後は、血糖値は上がるものの、血糖値スパイクという状態にまではならなかった、という調査報告があります。
食物繊維が多いフルーツは尚良し!
フルーツの中でも、特に食物繊維・果糖が多いものは血糖値の上昇が少ないようです。キウイやりんごが当てはまります。
食前、食後どちらに食べると良い?
これまで、フルーツを食前や食間に食べると、血糖値を上げる原因になるためNGであるという情報も多かったですよね。しかし、近年は「先フルダイエット(先にフルーツを食べるダイエット)」といい、先にフルーツを食べることを推奨していることが増えています。
理由として、
- 血糖値を過度に上げるわけではないと分かってきた
- 食前や食間のほうが、栄養素を吸収しやすい
- デトックス効果がある
などが挙げられます。
フルーツにはカリウムや食物繊維が豊富であるため、お通じを良くしたり体内の老廃物を出すはたらきがあり、いわゆるデトックス効果が期待できます。
また、果糖も含まれているため、食前や食間などに食べると脳のエネルギー源となり、集中力UPもできます。
フルーツだけの消化時間は30~40分程度ですが、食事をすると更に時間がかかります。そのため、食後にフルーツを食べると、なかなか消化・吸収が進まないため、食前や食間が良いというわけです。
後述する摂取量を守って、食前や食間にフルーツを食べることはダイエットに効果的といえます。
朝に食べるのを避けたいフルーツ
美肌のためには紫外線対策は欠かせませんよね。ダイエットとは関係はありませんが、フルーツに含まれる「ソラレン」という成分は、紫外線を吸収するはたらきがあります。そのため、ソラレンを含むフルーツを朝に食べると、日中の紫外線を吸収しやすくなるため、控えると良いでしょう。
ソラレンが多いフルーツは、
- レモン
- オレンジ
- グレープフルーツ
- キウイ
など、柑橘系のフルーツが多いため、要注意です。
フルーツの1日の適正量は?
1日に200g摂取することが推奨されています。
目標値の200gを摂取できている人は少なく、農林水産省もフルーツ摂取について「毎日くだもの200グラム」という取り組みをしています。
フルーツ200gの目安
- みかん 2個
- もも 2個
- りんご 1個
- バナナ 2本
- グレープフルーツ 1個
- オレンジ 2個
- キウイフルーツ 2個
- 柿 2個
- 梨 1個
- なつみかん 1個
- デコポン 1個
- ぶどう 1房
(※血糖値のコントロールが必要な人や、薬を飲んでいる人は主治医に確認しましょう)
フルーツを200gを摂るのは難しいため、朝食・食間・夕食などこまめに摂取するのがおすすめです。「フルーツは太る」という認識は、今や最新ではないかもしれませんね。
摂取量を守りつつ、フルーツを日常に取り入れてみましょう!
この記事を読んだ人におすすめ
元病院勤務の管理栄養士。栄養指導、チーム医療、献立作成、学会発表など管理栄養士業務を経験。妊娠を機に退職、現在はフリーランスで1児の母。 糖尿病療養指導士、サプリメント管理士の資格有り。 根拠のある「内面からの美容」の情報をお届けいたします。