アルコール配合の化粧品は避けるべき?メリットとデメリットを知って上手に活用を
アルコール(エタノール)配合の化粧品は「肌に良くない」「刺激になる」と言われることがあります。「それなら、なぜアルコール配合の化粧品があるの?」と感じますよね。アルコールのメリットとデメリットを知り、上手に化粧品を選びましょう。
アルコールを避けたほうが良いケースも紹介します。参考にしてください。
- 2022-11-15
- 森本悠希
化粧品に配合されるアルコールって?
化粧品のパッケージや容器に記載されている全成分表示。あなたは成分を見て、どんな効果が期待できるか、また、肌に刺激になりやすいかどうかがわかりますか?
「今まで成分を気にしたことはない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、数ある成分の中でも「敏感肌なら避けるべき!」という声が多いアルコール(エタノール)について深堀りしていきます。アルコールのメリットとデメリットを知り、上手にスキンケアに取り入れてくださいね。
アルコールの基礎知識
化粧品に配合されるアルコールは、エタノール、セタノール、ベヘニルアルコールなど、さまざまな種類があります。一般的に「刺激になりやすい」と言われるアルコールは「エタノール」を指します。
なお、純度により特性が異なります。
- 純度99.5%以上(無水エタノール):揮発性が高い・殺菌作用なし
- 純度95.1~95.6%(化粧品に配合される):揮発性あり・殺菌作用あり
- 純度76.9%~81.4%:抗菌作用が強く、消毒用に用いられる
アルコールフリーの化粧品に「○○アルコール」という記載があったら?
「肌に刺激になりやすい」というネガティブなイメージから、近年ではアルコールフリーの化粧品も増えました。ですが、「アルコールフリーなのに、全成分表示に○○アルコールと書かれている!」と、不安に感じた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
たとえば、製品の粘性UPや乳化目的で使用されるベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、肌の柔軟性を引き出すイソステアリルアルコールなどが挙げられます。
いずれも、構造上の分類はアルコールですが、いわゆるアルコール(エタノール)と異なり低刺激な成分です。
「アルコールフリー」が指し示すのは、刺激になりやすいエタノールのこと。したがって、低刺激な○○アルコールが配合されていても「アルコールフリー」と商品に記載されているケースがあるのです。
大きなくくりではアルコールであっても、成分ごとに役割や刺激レベルが異なります。それぞれの特性を踏まえて、上手に化粧品を選びたいですね。
アルコールのメリットとデメリット
肌に刺激になりやすいと言われていても、多くのメーカーが化粧品にアルコールを配合するのはメリットがあるからです。
- 水や油に溶けにくい成分を化粧品の中に溶かしやすくする
- 肌に残った汚れや皮脂を取り去る効果があるため、清浄目的で拭き取り化粧品に配合される
- 美容成分の浸透を助け、化粧品の効果実感を高める
- スーッとした清涼感があるので、爽快感の演出に使われる
- 殺菌作用があるので防腐剤になる
- 植物エキスの抽出の溶媒になる
可溶性、清浄、浸透、殺菌など、さまざまなメリットがあるアルコールですが、デメリットもあります。
- 揮発性があり、蒸発の際に肌の熱や水分を奪う → 皮膚の乾燥、刺激になる
- もともとアルコール過敏の場合、赤みが出たり刺激を感じたりする
肌の熱を奪うときのスーッとした感覚を清涼感と捉えるか、刺激に感じるかは人それぞれ。清涼感が好み・肌にトラブルが出ない方なら、デメリットと考える必要はありません。
肌トラブルがないならアルコール配合化粧品は使用OK
強い乾燥、赤みやかゆみ、ピリピリした痛みなど、肌トラブルが出ないなら使用を避ける必要はありません。
ただし、アルコールが蒸発する際に、どうしても肌の水分を奪います。そのため、多かれ少なかれ肌が乾燥しがち。使用を継続して乾燥が悪化する場合は、使用量を減らすか、使用を中止するのが無難です。
こんな人は注意!アルコールを避けたほうが良いケース
アルコールは、古くから化粧品に配合されてきた成分です。刺激になりやすい=危険な成分なのであれば、日本の化粧品の厳しい安全基準はクリアできません。
したがって、アルコールを忌避する必要はないのです。
とはいえ、実際に肌トラブルが起きる方もいます。以下のケースに当てはまる場合は、アルコール配合化粧品の使用を控えるか、皮膚科医に相談してから使用するのが無難です。
アルコール過敏の人
アルコール消毒やアルコール配合の化粧品を使うと、肌にかゆみや赤み、発疹が出る、揮発したアルコールを吸い込むと体調不良を感じるなど、アルコール過敏の方は、使用を控えましょう。
季節の変わり目や乾燥シーズンで肌が揺らいでいるとき
季節の変わり目や花粉シーズン、秋冬の乾燥で肌が揺らいでいるときは使用を控えるのが無難です。
肌が揺らいでいるときは肌の乾燥が進んでいたり、外的刺激から肌を守るバリア機能が低下したりしています。少しの刺激でも肌状態が悪化しがちです。
先程触れたとおり、アルコールは揮発する際に肌の熱や水分を奪うため、ゆらいだ肌には刺激になる可能性も。
どうしてもアルコール配合の化粧品を使いたい場合は、肌の状態と相談しながら使用量を減らす・時々はお休みするなど調整してください。
40代以降でエイジングケアをしたい人
肌の老化は20代後半から少しずつ進行しています。40代をすぎると肌のうるおいに必要な水分と油分が、一気に低下。肌の乾燥が加速します。
また、肌のバリア機能も弱まり、年齢肌は刺激に弱い状態に。
40代以降でエイジングケアを考えるなら、アルコールフリーの化粧品を選ぶのが無難です。とはいえ、大手メーカーのエイジングケア化粧品にはアルコール配合タイプも多いもの。
全成分表示をチェックして、配合量が多くなければ(成分が下位表示)、肌状態に合わせて使用しても良いでしょう。
注意したい成分はアルコールだけじゃない
肌に刺激になりやすいのは、アルコールだけではありません。パラベン、人工香料、着色料、植物エキスなども刺激になりやすいと言われています。
私たちの肌は千差万別。刺激になりやすい成分をすべて避けるのではなく、自分に合わない成分を避けるのが大切です。
そのためにも、新しい化粧品を使う場合は、パッチテストをお忘れなく。肌に合わない場合は事前に知ることができるので、無用な肌トラブルを避けることができますよ。
成分を深く知ればスキンケアが楽しくなる
毎日のスキンケアにかかせない基礎化粧品。今まで全成分表示を意識していなかった方は、少しだけでいいので、どんな成分が配合されているか気にしてみてはいかがでしょうか。
成分の役割や効果を知れば、今まで以上にスキンケアが楽しくなりますよ。
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教育、出版業界を経てフリーライターに。スタンダードな美容法からマニアックな健康法まで、情報収集・実践するのがライフワーク。キレイ&健康でありたいと願う女性をサポートできる情報を発信していきます。