その「腹筋エクササイズ」、お腹痩せに逆効果かも!? よくある腹筋エクササイズの“落とし穴”
先日、「下半身痩せに有効なスクワットも、不適切なフォームで行うと却って太ももを太くしてしまう可能性がある」とお伝えしました。
これはお腹痩せエクササイズにも当てはまることです。お腹痩せに効果的なエクササイズでもある腹筋エクササイズも、ちょっとしたフォームの違いによって却って逆効果を招いてしまうことも…。
そこで今回は、腹筋エクササイズでよくある間違いと、それをお腹痩せ効果につなげるための改善方法をお伝えします。
- 2020-09-13
- 町田晋一
下腹痩せに効く「リバースクランチ」のフォーム
写真は腹直筋下部を刺激し、下腹痩せに効果的な腹筋エクササイズである「リバースクランチ」というエクササイズです。何度かご紹介しているエクササイズですが、改めておさらいをしておきましょう。
- 仰向けになり、膝と股関節を90度に曲げて左右の膝と足を閉じるようにします。両手はカラダの横に「ハの字」に構え、手のひらを天井に向けるようにします。そうすることで手による反動が使いにくくなるからです。
- 息を吐きながら下腹部を支点に骨盤を起こし、息を吸いながら骨盤を下ろす動作を繰り返します。
下腹部を支点に骨盤を起こすようにすることで、腹直筋下部に効かせることができ、下腹の引き締めに効果が期待できます。
「リバースクランチ」でよくある間違い
リバースクランチでよくある間違いが、骨盤ではなく股関節の動きで行ってしまうことです。本来なら骨盤を起こすべきところを、股関節を曲げる動きで行ってしまうのです。
すると効かせるべきはずの腹直筋下部ではなく、股関節の筋肉である「腸腰筋」に効いてしまいます。
腸腰筋に効いてしまうとどうなるか。この筋肉には「股関節を曲げる」という働きの他、「骨盤を前傾させる」というそれもあるので、骨盤の前傾が更に強くなってしまいます。すると、益々腹筋群の収縮力が弱まってしまい、“ポッコリお腹”の原因でもある「骨盤の開き」を助長させてしまうことになります。
股関節の動きで腹筋エクササイズを行ってしまうことは、お腹痩せに逆効果をもたらすだけではありません!腰痛を引き起こす可能性もあります。
その理由は、骨盤の前傾が強くなると腰の反りも強くなってしまうからです。腰の反りが強くなると腰部の筋肉の緊張が強くなるばかりか、腰椎後部への負担が大きくなってしまうのです。
リバースクランチを行った後、太もも付け根辺りが痛くなったり腰が痛くなったりする場合は、股関節の動きでエクササイズを行っている可能性が十分に考えられます。
なぜ「腹筋」ではなく「股関節」を使って腹筋エクササイズを行ってしまうのか?
それではなぜ本来使うべきはずの腹筋ではなく、股関節の筋肉である腸腰筋を使って腹筋エクササイズを行ってしまうのでしょうか。
その理由として、もともと骨盤が過度に前傾していることが考えられます。
本来、骨盤はやや前傾しており、それによって背骨は横から見て、緩やかなS字状の弯曲を描くことが可能になります。ちなみに背骨は緩やかなS字を描くことで、背骨に加わる衝撃や荷重を分散させることが可能になると言われています。
やや前傾しているはずの骨盤が過度に前傾してしまう背景には、ハイヒールによって重心の位置がつま先になってしまっていることなどが考えられます。足の重心位置は外くるぶしのやや前方であると言われています。それがつま先になってしまうことで、骨盤も前方に傾くかたちとなるのです。
腹筋エクササイズで確実に腹筋に効かせるために行っておきたい「2つのストレッチ」
腹筋エクササイズで確実に腹筋に効かせるには、強く前傾した骨盤をリセットさせる必要があります。
先程お伝えしましたように、骨盤の前傾を強めている筋肉として腸腰筋が挙げられます。そこで強く前傾した骨盤をリセットさせるためには、「腸腰筋への静的ストレッチ」を行います。
しかし、腹筋エクササイズで腹筋に効かせるようにするためには、これだけでは不十分です!なぜなら骨盤を起こす動きが低下したままだからです。
骨盤を起こす動作というのは、言い換えれば骨盤を後傾させる動作です。そのため合わせて骨盤後傾方向の動きを高める動的ストレッチも行うようにします。
(1)腸腰筋への静的ストレッチ
- 両脚を前後に大きく開き、前脚の膝を立ててその膝の上に両手を乗せて、後ろ脚は股関節を伸ばします。
- 重心を上体の真下に下ろし、腰部を丸めて骨盤を後傾させることで、太ももの付け根前面にある腸腰筋がストレッチされます。
左右それぞれ、太もも付け根前面が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間伸ばし続けるようにします。
骨盤を後傾させるコツは、目線をお腹に向けることです。ストレッチ中は骨盤は正面へ向けるようにします。
反動や弾みをつけず、静止した状態で筋肉を伸ばすようにしましょう。
(2)骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチ
四つん這いになり腰部を軽く反らせた体勢から(写真上)、腰部を丸めていく動作(写真下)を10回繰り返します。ゆっくりと動かすように心がけ、腰部を丸めていく動きを少しずつ大きくしていくようにしましょう。
必ず動作は、高めたい動きである腰部を丸める動きで終わるようにします。
「2つのストレッチ」を行ったら効果を確認!
2つのストレッチを終えたら、もう一度「リバースクランチ」を行ってみましょう。その際、下腹部を支点にして骨盤を起こすように心がけてみましょう。
するとストレッチ前よりも骨盤を起こしやすく感じられ、腹直筋下部に効いていることが実感できるようになるハズです!早速お試しください!
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お腹痩せトレーナー。 1972年埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。 東京都渋谷区・新宿区のパーソナルジムで、ぽっこりお腹に悩む女性のお腹痩せ成功をサポートしている。食事制限をしない、無理なくお腹瘦せできる独自のメソッドを提唱。 これまでぽっこりお腹に悩んでいた女性の腹囲を、2ヶ月で平均−5.6㎝のお腹痩せ成功に導く。 パーソナルトレーニング指導歴23年。