今さら聞けない!「全粒粉」についておさらい!何が健康に良いの?
ヘルシーな印象がある「全粒粉」。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富ですが、具体的に体にどのような良い影響があるのでしょうか?また、全粒粉=グルテンフリー、ではないのをご存じですか?全粒粉を食べる時の注意点もご紹介します。
- 2019-09-07
- naomiimai
全粒粉って何?
全粒粉とは、「小麦をまるごと粉にしたもの」で、グラハム粉とも呼ばれます。
皮や胚芽も含まれるため、粉の色はやや黒く、手で触った感じはざらつきがあります。小麦の成分をすべて含んでいるため、ビタミンやミネラル、食物繊維が小麦粉よりも豊富です。パンやビスケット、クラッカーなどに使用されています。
全粒粉に期待できること
ダイエット効果
食物繊維が豊富な分、GI値が低いため、血糖値の上昇がしにくく、ダイエットに向いています。また、噛みごたえもあり、体内では水分を吸収し、かさまし効果があるため、満腹感が得られ、ダイエット効果が期待できます。
腸内環境を整える
食物繊維が多いため、腸内環境を改善する効果も期待できます。
腸内細菌は食物繊維をエサにしているため、全粒粉で腸内細菌が活発になり、その結果酪酸が作られます。酪酸には腸の上皮細胞の新陳代謝を促すはたらきや、抗炎症作用もあるため、「腸を鍛える」といわれており、腸活にも注目されています。
小麦粉と全粒粉の栄養成分を比較!(100gあたり)
- エネルギー 小麦粉365kcal・全粒粉328kcal
- たんぱく質 小麦粉11.8g・全粒粉12.8g
- 糖質 小麦粉69.0g・全粒粉57.0g
- 水溶性食物繊維 小麦粉1.2g・全粒粉1.5g
- 不溶性食物繊維 小麦粉1.5g・全粒粉9.7g
- カルシウム 小麦粉17mg・全粒粉26mg
- マグネシウム 小麦粉23mg・全粒粉140mg
- 鉄 小麦粉0.9mg・全粒粉3.1mg
- 亜鉛 小麦粉0.8mg・全粒粉3.0mg
- ビタミンB1 小麦粉0.09mg・全粒粉0.34mg
- ビタミンB2 小麦粉0.04mg・全粒粉0.09mg
- ビタミンB6 小麦粉0.06mg・全粒粉0.33mg
- 葉酸 小麦粉16μg・全粒粉48μg
全粒粉は小麦粉と比較して、エネルギー量は大差ありませんが、ビタミンやミネラルが豊富であることが分かりますね。
全粒粉と、健康に良いと言われる玄米との比較!
玄米は栄養価が高いといわれていますよね。食物繊維やビタミンB群が豊富であるため、ダイエット中や美容に関心のある人は玄米を食べていることも多いですよね。
全粒粉と、玄米粒100gあたりの栄養素を比較すると、
- 食物繊維 玄米粒3.0g・全粒粉11.2g
- カルシウム 玄米粒9mg・全粒粉26mg
- マグネシウム 玄米粒110mg・全粒粉140mg
- 鉄 玄米粒2.1mg・全粒粉3.1mg
- 亜鉛 玄米粒1.8mg・全粒粉3.0mg
- ビタミンB1 玄米粒0.41mg・全粒粉0.34mg
- ビタミンB2 玄米粒0.04mg・全粒粉0.09mg
このように、全粒粉は、食物繊維は玄米の約3.7倍、カルシウムは約3倍多く含まれていることが分かります。
食物繊維が豊富であると、食後に血糖値が急激に上がることを防ぐため、分泌されるインスリンの量も節約でき、ダイエットにつながります。
炭水化物の中でも、「パンは太りやすい」と思われがちですが、全粒粉パンはおすすめです。
では、全粒粉を食べる時の注意点はあるのでしょうか?
全粒粉を食べる時の注意点
食物繊維やカルシウムなど栄養素が豊富ですが、糖質の量に関しては小麦粉と大して差はありません。したがって、食べすぎると太る原因になります。
あくまで、「小麦粉よりも豊富な栄養素を含む」という認識を持っておくと良いかもしれません。
全粒粉=グルテンフリーではない!?
全粒粉というと、体に良いというイメージがありますよね。最近は、グルテンフリーが健康に良いといわれているため、全粒粉はグルテンが少ないと思う人も少なくありません。しかし、全粒粉にもグルテンは含まれているため要注意です。
小麦粉や強力粉は、小麦の表皮を取り除いた胚乳で作れられていますが、この胚乳にグルテンが含まれています。全粒粉は、小麦の表皮もつけたまま、胚乳も一緒に加工されたものです。したがって、グルテンは含まれています。
グルテンフリーが良い場合は、「ふすま」がおすすめです。ふすまは、小麦粉の胚乳部分以外で作られる小麦粉です。
全粒粉を使ったおすすめメニュー!初心者はどんなものに使えば良い?
小麦粉料理の代用として使えそうですが、全粒粉は「まとまりにくい」「水分を吸収しにくい」という特徴があるため、代用は難しいことが多いです。
したがって、口当たりが良いケーキやパンの場合、薄力粉:全粒粉=1:1にして使うことが多いです。このように、小麦粉のレシピを全粒粉で置き換えるのではなく、「全粒粉を使った」レシピの参考にすると良いでしょう。
ざくざくとした食感のクッキーを作るのには向いており、初心者にも使いやすいと言われています。ダイエット中、不足しがちなビタミンやミネラルを補いたい人は、強力粉のみでできたパンよりも全粒粉パン、薄力粉のみでできたパンより全粒粉入りクッキーのほうが良いですよね。
気になる人はぜひ全粒粉を使ってみてくださいね!
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元病院勤務の管理栄養士。栄養指導、チーム医療、献立作成、学会発表など管理栄養士業務を経験。妊娠を機に退職、現在はフリーランスで1児の母。 糖尿病療養指導士、サプリメント管理士の資格有り。 根拠のある「内面からの美容」の情報をお届けいたします。