近年、肌の健康と美しさを左右すると注目されている肌フローラ。いつまでも美肌を保ちたいなら、肌フローラを整えることが欠かせません。

肌フローラは、毎日適切なスキンケアをすることで整えられます。本記事では、肌フローラを整えるために必要なスキンケアについて解説します。

肌フローラについて

肌フローラを整えるスキンケアを知る前に、まず肌フローラとは何かについて理解しておきましょう。

ここでは「肌フローラの概要」と「肌フローラを構成する常在菌の種類」について解説します。

肌フローラの概要

肌フローラとは、肌に住んでいる常在菌の集まりのことを指します。

肌に住む常在菌は、1兆個以上といわれています。常在菌の状態は、肌のコンディションに大きく影響を与えるため、肌フローラを整えて肌トラブルを防ぐスキンケアが今注目されています。

肌フローラを構成する常在菌の種類

肌には1,000種類以上の細菌が発見されており、大きく分けて次の3つに分類されます。

美肌菌（善玉菌）

美肌菌は、その名の通り美肌づくりに欠かせない常在菌です。健常な人の皮膚に多く存在しているのが特徴です。

美肌菌の中でも代表的なものが表皮ブドウ球菌と呼ばれ、皮膚の表面や毛穴に存在しています。

表皮ブドウ球菌の役割は、皮脂を脂肪酸とグリセリンに分解することです。脂肪酸は皮膚を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。グリセリンは肌にうるおいを与えてバリア機能を高め、乾燥や外的刺激から守る効果があります。

肌の常在菌のバランスが美肌菌優位であれば、肌のコンディションは良好でトラブルが起こりにくくなります。

悪玉菌

悪玉菌は、肌荒れやアトピー性皮膚炎などあらゆる肌トラブルを引き起こす原因となる常在菌です。代表的なものとして、黄色ブドウ球菌があります。

黄色ブドウ球菌は、美肌菌が多く弱酸性が保たれた肌状態であれば悪さをすることはありません。しかし、皮膚が弱アルカリ性に傾くと増殖して肌トラブルを引き起こす原因となります。

日和見菌

日和見菌は、肌に存在する常在菌の中で最も多いのが特徴です。また、美肌菌と悪玉菌のバランスや肌環境に左右され、良くも悪くもなります。

代表的なものはアクネ菌で、通常は皮膚を弱酸性に保ち、細菌の増殖を抑える美肌菌のような働きをしています。しかし、皮脂の分泌量が増えて肌の水分と油分のバランスが崩れる、または悪玉菌が増えて肌が弱アルカリ性に傾くなどが起こると、アクネ菌は過剰に増殖してニキビや吹き出物などのトラブルを起こすのです。

肌フローラを整えるために必要なスキンケア

美肌をキープするためには美肌菌優位でかつ、悪玉菌と日和見菌がバランスよく存在していることが大切です。

肌フローラを整えるには、毎日のスキンケアが欠かせません。ここでは、肌フローラを整えるために必要なスキンケアを3つ紹介します。

肌に優しい洗顔

肌フローラを整えるためには、肌に負担をかけない優しい洗顔を行うことが大切です。

例えば、洗浄力の強い洗顔料を使用すると、肌に必要な常在菌や皮脂まで洗い流してしまい、肌フローラの構成を乱してしまう恐れがあります。うるおいを落としすぎないクリームタイプやジェルタイプの洗顔料を使いましょう。

また、常在菌を落としすぎないために顔の洗い方にも注意が必要です。皮脂汚れの少ない頬から洗ってしまうと、必要な菌と皮脂を落とすことがあります。そのため、まずは皮脂分泌が多いTゾーンに泡を乗せ、毛穴など汚れが気になる部分を丁寧に洗ってから頬を洗い、皮膚の薄い目元・口元に移ることをおすすめします。

1日に行う洗顔の回数は、朝晩の2回で十分です。洗いすぎると肌フローラのバランスを崩してしまい、肌トラブルの原因となるので注意しましょう。

十分な保湿

肌フローラは保湿をしっかりとすることで整えられます。

健全な肌表面では、汗と皮脂が分泌されて皮脂膜がつくられ、うるおいが保たれるため皮膚のPHは弱酸性になっています。しかし、皮脂の分泌が少なく肌が乾燥すると、アルカリ性に傾いてしまうのです。

皮膚のPHがアルカリ性になると悪玉菌が増殖し、日和見菌も悪玉菌の働きを斡旋するため、肌トラブルを引き起こします。しっかりと保湿を行って肌を弱酸性に保ちましょう。

保湿ケアには、化粧水、乳液、クリームを使います。化粧水は、洗顔をした後すぐにたっぷりコットンに湿らせて顔全体がひんやりするまで塗布しましょう。そのあと乳液、クリームの順に蓋をしてうるおい成分の蒸発を防ぐのを忘れずに。

紫外線対策

肌フローラを整えるために、紫外線対策も欠かせません。

紫外線は、皮脂膜を酸化させて肌のバリア機能を低下させます。バリア機能が低下すると、肌の水分量が減少して乾燥状態になるため、PHがアルカリ性に傾き悪玉菌の増殖を促してしまいます。

皮膚のPHを弱酸性に保ち美肌菌優位にするために、できる限り紫外線を浴びないよう対策を行いましょう。

朝のスキンケアの最後に日焼け止めクリームを塗ることを習慣化し、外出する際はサングラス、日傘、帽子などを着用することをおすすめします。

まとめ

肌フローラとは、肌に住んでいる常在菌の集まりのことです。常在菌は1,000種類以上の種類があり「美肌菌」「悪玉菌」「日和見菌」の大きく3つに分けられます。

肌フローラを整えるために必要なスキンケアは「肌に優しい洗顔」「十分な保湿」「紫外線対策」の3つです。

今後は、肌フローラを整えるスキンケアを意識して行いましょう！