パーソナルトレーナーが「食べないダイエット」をお勧めしない3つの理由
「体重や体脂肪が増えたのは食べ過ぎが原因」と判断し、食事をカットするダイエットをしようとする人がいます。しかし私は「食べないダイエット」はお勧めできません!
それではなぜ「食べないダイエット」をお勧めできないのか、今回はその理由についてお伝えします。
- 2020-07-22
- 町田晋一
「食べないダイエット」をお勧めできない理由として、以下の3つが挙げられます。
- 却って脂肪がつきやすくなるから
- 冷えやすくなるから
- 仕事の効率がダウンするから
それでは、それぞれについて詳しく解説していきましょう。
理由1:却って脂肪がつきやすくなるから
食べないと確かに体重は落ちますが、それは体脂肪が減ったのではありません!それは主に筋肉量などが減ったことによるものと言えます。
「食べない」ということは、「体にエネルギーが入ってこない」ということです。でも実際は、お仕事や家事をしたり歩いて移動したりするので、体はエネルギーを必要としています。すると体はなかなかエネルギーが入ってこないので、それを作り出そうとするのですが、その際に筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするのです。その結果、筋肉量が減ってしまうのです。
また、筋肉を作る材料となるタンパク質も入ってこないわけですから、筋肉量は一方的に減少してしまうことになります。
では筋肉量が減るとどうなるか。1日の総消費エネルギー量の約70%を占めている基礎代謝量が減ってしまいます。基礎代謝量が減ってしまうと、総消費エネルギー量が低下してしまうので、却って脂肪がつきやすい体になってしまうと言えるのです。
理由2:冷えやすくなるから
筋肉量が減ってしまうということは、脂肪がつきやすい体にしてしまうだけではありません。冷えやすい体にもしてしまいます。筋肉量が少なくなってしまうと、生み出すことができる熱の量が少なくなってしまうからです。
体熱の40%が筋肉で作られていると言われています。そのため筋肉量が減ってしまうと、産生できる熱の量が少なくなってしまい、冷えやすくなると言えるのです。
食事を摂らないと冷えやすくなる理由はもう一つあります。食事を摂らないと、体に熱を発生させることができないからです。
食事で摂取した栄養素は体内に吸収・分解されると、その一部が体熱となって消費されます。このような食事を摂ることで発生するエネルギー消費のことを「食事誘発性熱産生」と言います。
食事をすると体が熱くなった経験はありませんか?それこそが食事誘発性熱産生によるものです。つまり食事を摂るということは、体に熱を発生させているということでもあるのです。
「冷え」でお悩みの方、もしかしたら食事を抜いてしまいがちな生活になっていませんか?
理由3:仕事の効率がダウンするから
理由1のところでもお伝えしましたが、「食べない」ということはエネルギーが入ってこなくなるということです。
エネルギーがない状態ということは、車で言うところの「ガス欠」状態にあたります。そうなると、体だけでなく頭も働かなくなってしまうということになります。
そのため食事、特に朝食をしっかり摂らないと、お仕事の効率もダウンしやすくなると言えるのです。
「食べないで痩せる」のはダイエットではない!
このような3つの理由から「食べないダイエット」はお勧めできません!
「食べないで痩せる」のはダイエットというよりも、むしろ「減量」です。減量は時には体に必要なものまでを削り落としてしまうことになります。
体に必要なものまで削ってしまうと、脂肪がつきやすい体となり、リバウンドしやすくなります。そればかりか、筋肉量が少なくなると体温が低下し免疫力の低下にもつながるため、健康面でもマイナスを招きやすくなると言えます。
ダイエットに導く「食事の摂り方」
ここまでお読みいただいて、ダイエットを効果的に行うには「食事を摂ること」も必要ということがご理解できたでしょうか。
食事は1日三食を摂ることが基本です。1日一食の「まとめ食い」はお勧めしません!なぜならば脂肪をつきやすくしてしまうからです。まとめ食いをすると、血糖値が急激に上昇するため、血糖下降ホルモンである「インスリン」が分泌されます。このインスリンには、血糖値を下げる以外にも脂肪合成を促す働きがあるのです。
そこで血糖値の急上昇を避けるため、食事はまとめて摂るのではなく、朝昼晩と三食に分けて摂ることをお勧めします。
体や頭を動かす前となる朝は、体を動かすエネルギーとなる糖質をしっかり摂るようにしましょう。逆に身体活動量が減る夜は、糖質の摂取は控えるようにします。筋肉など体を作る材料となるタンパク質は、一度にまとめて摂っても吸収できないので、三食の中で分けて摂るようにします。
また、糖質だけ摂っても不十分です。それをエネルギーに変換するためにはビタミンB1も必要となります。脂肪をエネルギーに変える際も同様で、その際にはビタミンB2が必要となります。ビタミンB群やビタミンCは「水溶性ビタミン」に分類され、一度に摂り過ぎても体外に排泄されてしまいます。そのためビタミンB群やビタミンCもまとめて摂るのではなく、分けて摂ることが求められます。
このように食事はまとめて摂るよりも、三食に分けて摂った方が脂肪がつきにくくなる上、栄養素も吸収されやすくなると言えます。
1日三食をしっかり摂って、食事と並行してトレーニングを行うことで、ダイエット効果はより確実なものにすることができます!
美味しく食べて、しっかり動いて理想のボディを目指しましょう!
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お腹痩せトレーナー。 1972年埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。 東京都渋谷区・新宿区のパーソナルジムで、ぽっこりお腹に悩む女性のお腹痩せ成功をサポートしている。食事制限をしない、無理なくお腹瘦せできる独自のメソッドを提唱。 これまでぽっこりお腹に悩んでいた女性の腹囲を、2ヶ月で平均−5.6㎝のお腹痩せ成功に導く。 パーソナルトレーニング指導歴23年。