疲れやすく、肌がくすむ。それ、もしかすると貧血が原因かもしれません。女性に多い貧血対策とは
とにかく眠気がきたり、疲れやだるさ、イライラなどの体調と精神的な問題に加え、髪はパサパサで肌はくすむなどの美容問題まで引き起こす全ての原因は「貧血」かもしれません。健康と美容を維持するために貧血とは無縁の女性を目指しましょう。
貧血にならない為にも、知っておきたい貧血対策をご紹介します。
- 2018-12-04
- nin
無理なダイエット、毎月の生理、妊娠、出産など、女性は人生において貧血になりやすいと言われています。他にも、貧血は美容、健康、精神面にも悪影響を与え、キレイと元気を遠ざけてしまいます。貧血はないと言う人も、実際は気づいていないだけで、もしかするとその美容や健康、そして精神的な悩みはそこから来ているかもしれません。
貧血は意外に気づきにくく、ゆっくりと進行するものなので、貧血気味な状態に体がもう慣れてしまっているという事もありえるでしょう。顔がくすむ、顔色が悪い、髪がパサパサ、眠気、イライラやヒステリー、そして生理不順など、女性の悩みも健康も解決する為に、まずは貧血による鉄分不足と向き合う事が大切かもしれません。
鉄分不足のセルフチェック
- 抜け毛がある
- 風邪をひきやすい
- 顔色が悪い
- 爪が割れやすい
- 月に2回生理がある
- 瞼の裏側が白い
- 口内炎が出来る
- 立ちくらみ
- 疲れやすい
- イライラする
- 不安になる
- 寒さに敏感 など
成人女性に必要な鉄の摂取量とは
鉄は必須ミネラルで、体で作られることはなく、食べ物から摂取する必要があります。女性(月経あり)の鉄分の推奨摂取量は1日で約10.5mg必要になり、食べ物だと豚レバーなら80g、ほうれん草であれば約1束ほどに相当しますが、実際ダイエットなどで野菜ばかり食べてしまっていたり、朝食を抜いたり、インスタント食品など偏った食生活をしている現代女性は、平均で約7gしか摂れていないと言われています。
そして、特に妊婦さんは多く摂る必要があり、妊娠後期には約20mg程の鉄分が必要となります。
酸欠状態
鉄分が不足することは、血が足りていないのではなく、実際は血液中にあるヘモグロビンが減ってしまっている事が原因なのです。
そのヘモグロビンというのは酸素とくっついて全身の細胞に酸素を運んでくれる働きがありますが、そのヘモグロビンが減少してしまうと酸素が運ばれず、全身が酸素不足となってしまい、酸欠状態になってしまうのです。その為、貧血や頭痛、疲れやすくなったり、体を動かす事が出来なくなってしまったりするのです。
貧血は徐々に進行していく場合もある為、目の下の瞼の裏側が白くなっていたり、氷が無性に食べたくなったり、皮膚の色が青白くなったりし、少し歩いただけでも疲れやすく感じるようになります。
ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類の鉄
食べ物に含まれている鉄は2種類あり、赤身の肉や魚などの動物性に含まれるヘム鉄と、野菜や牛乳などの植物性と動物性の両方に含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は約30%の割合で吸収されますが、非ヘム鉄は約7%ほどしか吸収されず、ヘム鉄に比べ非ヘム鉄は吸収率が悪いのです。その為、非ヘム鉄はビタミンCやタンパク質などと同時に摂取し吸収率を上げる必要があります。
そして、胃酸の分泌が良くなると、鉄の吸収も良くなると言われている為、レモンや梅干しやお酢などの酸っぱいものや、香辛料などと一緒に食べる事も効果的と言えるでしょう。
鉄分(ヘム鉄と非ヘム鉄を多く含む食材)
- ヘム鉄
豚レバー、鶏レバー、牛レバー、牛モモ、かき(むき身)、イワシ、わかさぎ、しじみ(殻つき)
- 非ヘム鉄
小松菜、ほうれん草、枝豆、そら豆、切り干し大根、干しひじき、豆乳、ごま、鶏卵、高野豆腐、アサイー
- 鉄を含む
アサリ、ハマグリ、カツオ、マグロの赤身、納豆、牛ヒレ
鉄分の吸収率を上げてくれる
- ビタミンC
ブロッコリー、キャベツ、レモン、いちご
- ビタミンB12
レバー、にしん、かき、卵黄、チーズ
- 葉酸(赤血球を助ける働きがある)
レバー、ジャガイモ、ほうれん草
そして、鉄を含む食材を調理するときには、鉄で出来た調理器具を使うと、鉄の摂取量をあげる事が出来ます。なので、調理法を煮込み料理にするなど、調理器具の鉄が溶けやすい調理法を選ぶ事をおすすめします。特にトマトなどの酸が含む食材を加えれば、さらに鉄を溶かしやすくさせるので効果的と言えるでしょう。
そして、コーヒー、紅茶、ワイン、柿などに含まれるタンニンという成分は、鉄の吸収を妨げるので飲みすぎないようにし、これらを摂取する時は、なるべく鉄分を含んだ食材を摂取する1時間前後は避けるようにしましょう。
貧血の種類
- 鉄欠乏性貧血
体内の鉄が不足し、ヘモグロビンが減る事で起こる一般的な貧血で、頭痛やめまいや立ちくらみなどの症状が見られます。
- 潜在性鉄欠乏症
隠れ貧血とも呼ばれ、肝臓や骨髄などに蓄えられている貯臓鉄が不足し、肩こり、不眠、耳鳴り、集中力低下、むくみ、顔色が悪い、寒さに敏感になるなどのような症状が見られます。
鉄分の過剰摂取
鉄分が必要だからと言って、上限40mg以上の鉄分の取り過ぎは注意しましょう。サプリで補う事が簡単に出来てしまう為、かえって鉄分の過剰摂取に繋がる事もあり、吐き気、嘔吐、下痢、色素沈着などを引き起こしてしまう事があります。
食事のみの鉄分の過剰は心配ありませんが、さらにサプリで補給するなどという時には注意が必要です。
鉄は美容も健康も助けてくれる優れた働きがあります。そして、これらの悩みがある人は貧血気味になっているかもしれないので、鉄分を多く含んだ食材と、その他のビタミンなどの鉄の吸収を助ける働きのある食材を積極的に摂り、バランスよく食事をするよう心がけて下さい。