いまさら聞けない!紫外線の基礎知識をおさらいしよう
例年になく寒い日の続いた冬もいよいよ終わりが近づき、春の訪れももうすぐそこ。そんな春先に気になるのは紫外線! 紫外線は肌が黒くなってしまう日焼けを引き起こすだけでなく、老化の原因になってしまうことはご存知ですか? 実は肌の老化の80%は紫外線が原因と言われています。
そんな美容の敵ともいえる存在の紫外線について正しく理解して、正しい紫外線対策をおさらいしましょう!
- 2018-02-27
- 剱持百香
紫外線対策の基本は「紫外線」を知ることから
紫外線は波長によって3つに分けることができます。
UVA (400–315 nm)
地表に届く紫外線の約95%を占めています。別名「生活紫外線」と呼ばれていて、肌が黒くなる“サンタン”を引き起こします。UVAは肌の奥深く真皮層まで到達し、肌のハリや弾力を保つコラーゲン繊維などを破壊してシワやたるみの原因になってしまいます。また、UVAは雲やガラスをも透過するため、たとえ曇りであろうが、家から出ない日でもしっかり紫外線対策をすることが大切です。
厄介なことに、冬や日差しの少ない朝・夕方でもUVAの量はさほど変わらないため、日差しがないからと油断禁物! 紫外線は暑さもまぶしさも感じないのです。
UVB(280–315 nm)
地表に届く紫外線の約5%を占めています。別名「レジャー紫外線」と呼ばれていて、肌が真っ赤に炎症を起こす“サンバーン”を引き起こします。
UVBは表皮まで到達し、メラノサイトを刺激し、シミの原因であるメラニンの過剰生成を促します。それだけでなく、DNAを傷つけてしまうほどエネルギーが大きいので浴びすぎるのは危険です。
UVC(200–280 nm)
オゾン層で吸収されてしまうため地表には到達しませんが、そのエネルギーはとても大きいです。
このように、紫外線は波長によってエネルギーの大きさが違うため、私たちの肌に及ぼす影響も違うのです。
これまで紹介してきた紫外線の影響はネガティブなことばかりなので、「紫外線なんてなくなればいいのに!」と思っている方も多いかと思いますが、実はそうでもないのです。紫外線にもポジティブな役割もあるのです。
紫外線は骨密度や幸せホルモンに欠かせない“ビタミンD”を生成する
とある大学の研究で「20代の女性が週3回以上日焼け止めを使った場合、血中のビタミンD濃度が常に欠乏状態になっていた」という結果が発表されました。
ビタミンDが欠乏してしまうと、骨密度の低下や幸せホルモンのセロトニン不足に影響を及ぼすと言われています。
紫外線(UV-B)を浴びることでビタミンDを体内で合成し、欠乏症を防ぐことができるというわけなのですが、個人的にはおすすめできません。なぜなら、ビタミンD不足は食品からの摂取で防ぐことができますが、紫外線のダメージは防ぎようがないからです。
ビタミンDを合成するために必要な日光浴の時間は、両手の甲くらいの面積で15分、木陰で30分程度と言われています。この間日焼け止めを塗らずまっさらな肌で紫外線を浴びるということですが、塵も積もれば山となる。10年後、20年後に悪影響がないかと言えば必ずしもそうではありません!
なので、ビタミンDを補うために、ビタミンDが豊富に含まれている食物である「魚介類、卵類、きのこ類」などを食べてビタミンD不足を解消しましょう。
今すぐやろう! 紫外線対策の基本
紫外線の基礎知識を学んだところで、紫外線対策の基本をご紹介します。
① 日焼け止めは適量を正しく塗る
紫外線対策の基本と言えば「日焼け止め」ですが、意外と正しい塗り方を知らないのではないでしょうか。日焼け止めは正しく塗らないとその効果を十分に発揮することはできません。
日焼け止めの適量は、目安は皮膚1cm²あたり日焼け止め2mg。顔なら、乳液タイプは1円玉2個分、クリームタイプはパール2個分が目安です。手に取ってみると意外と多いなと思いますが、このくらいが適量です。その後、両頬・顎・おでこ・鼻の5か所に置いて、内側から外側に日焼け止めを伸ばします。
腕や足などの広範囲には容器から直接、直線を描くように出してかららせん状に優しくなじませます。首や顎・耳裏、手の甲、足の甲なども忘れずにつけましょう。
2、3時間ごとに塗り直しするのも忘れずに!
② 朝の柑橘類には注意を!
美意識の高い方は、朝にビタミンたっぷりのフルーツや野菜を取り入れているかもしれませんが、それには注意が必要です。主に柑橘類に含まれている「ソラレン」という成分が持つ光毒性によって、直射日光に当たると紫外線に過敏に反応し、肌にダメージを与える可能性があります。紫外線対策のためには朝の柑橘類は避けるようにしましょう。
紫外線対策は3月から本腰を入れて!
肌に降り注ぐ紫外線はグンっと3月から増え始めます。3月に紫外線を受ける肌は、ターンオーバーで考えると乾燥が厳しい2月に作られた肌。乾燥しているとバリア機能が低下している可能性があるので紫外線のダメージをより受けてしまうのです。なので正しい紫外線の知識を身に着けて、美肌のための紫外線対策に本腰を入れましょうね。
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外見だけでなく内側からも美しくなりたいという想いを抱き、日本化粧品検定をはじめとする美容資格を取得。 コスメ、スキンケアの最新情報や『紫外線マスター』として徹底的なUV対策・美白ケアの重要性を発信中。