肌は3層でできている!肌構造がわかればケアする箇所が一目瞭然!
肌は表皮・真皮・皮下組織と大きく3層にわかれています。それぞれの肌の役割がわかると、肌悩みがあらわれたときにどこをケアすれば良いのかすぐにわかります。
わかりやすく肌構造についてお伝えします。
- 2019-07-05
- 北口慈子
肌構造から最適なスキンケアアイテムを選ぼう!
「肌」はとても薄いものですが、その中は何層もの細胞の層でできているのをご存知でしょうか?肌を構成する層にはそれぞれ意味があり、肌の構造を理解することで、肌トラブルが起きたときにどこにアプローチすれば良いのかすぐにわかるというメリットがあります!
今回は、肌を構成する3層の役割や特徴についてお伝えします。
1層目:表皮の役割は?
表皮の厚さは0.06~0.2mmととても薄く、主な役割は肌の生まれ変わり、つまりターンオーバーです。肌のもととなる細胞を誕生させ、細胞の形を変化させながら、新しい細胞の層へと置き換えるのが表皮の役目。
細胞の誕生から新しい細胞層への置き換えまで細胞は4回変化し、層を形成しているので、それぞれの層の特徴についてお伝えします。
角層
角層は体の一番外側にあり、私たちの目に見えている部分。平たい無核の死んだ細胞が数層~10数層重なっています。
角層はサランラップ1~2枚分の約0.02mmのとても薄い層ですが、水分を保ちながら乾燥と外部刺激から肌を守っています。角層の水分量を20%前後に保つことが理想と言われています。
顆粒層
顆粒層は角層の下にある層のこと。細胞の中に顆粒状になった核があり、その顆粒が光を屈折する働きがあり、紫外線が肌の奥まで侵入するのを防ぎます。
角層に変わる準備段階が個々の層で行われます。また、天然保湿因子であるNMFと、肌内部の水分をつなぎとめる細胞と、細胞の間を埋める成分である細胞間脂質が、顆粒層でつくられます。
有棘層
表皮の層の中で一番厚いのが有棘層です。細胞の間にはリンパ液が流れ、栄養を送る役目があります。細胞は突起が付いたトゲトゲした形をしており、有棘層の下にある細胞ほど縦長で、上にあるものほど平たい形に変化します。
基底層
表皮の一番下の層である基底層は、円柱状の基底細胞で成り立っています。基底層の下には真皮があり、基底膜で区切られています。
基底層には皮膚の色を決めるメラニンをつくりだすメラノサイトと、表皮細胞をつくりだすケラチノサイトが存在します。ケラチノサイトが分裂を繰り返し、徐々に押し上げられ、有棘層・顆粒層・角層へと変化していきます。メラニンをつくりだす母細胞があることから、シミの原因となります。
2層目:真皮の役割は?
真皮は0.5~2mm程度の厚さをしており、皮膚の大部分を占めています。真皮は肌のハリ・弾力をつかさどっている部分で、主な役割は体を保護することです。真皮はさらに2層にわかれているので、それぞれの特徴についてお伝えします。
乳頭層
乳頭層は表皮の基底膜と接している部分で、その接触面が凸凹していることから表皮突起とも呼ばれています。表皮へ神経と栄養を届ける血管が存在しています。乳頭層は真皮の約1/5の厚さとなっています。
網状層
真皮の大部分を占めているのが網状層。肌のハリ・弾力はこの部分でつくられていると言っても過言ではありません。網状層を支えている成分を4つご紹介します。
コラーゲン
コラーゲンは網状層のなんと70~90%を占めている成分。コラーゲンは線維状のタンパク質で、線維芽細胞から分泌されます。真皮中に線維を張り巡らせることで、肌のハリを保つ役割があります。
エラスチン
エラスチンは網状層の約5%を占めている成分。同じく真皮に存在しているコラーゲンに絡みつき、ゴムのように伸縮するのが特徴です。その伸縮性から肌に弾力を与える役割があります。
基質
基質はコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸を含み、ムコ多糖類とも呼ばれています。基質は細胞外マトリックスでエラスチンやコラーゲンなどの隙間をうめるゲル状の成分です。
基質はゲル状の中に水分をたくわえながら、代謝産物を血管から細胞に送る役割があります。基質が少なくなると肌がくぼみ、たるみやシワの原因となります。
線維芽細胞
線維芽細胞は細胞組織で真皮に存在しているコラーゲン・エラスチン・基質を分泌します。線維芽細胞は年齢とともに数が少なくなるため、ハリ・弾力を保つ成分の生成力も衰えることから、肌トラブルの原因と言われています。
3層目:皮下組織の役割は?
皮下組織は真皮の下に位置し、皮膚とその下にある筋肉・骨の間に存在します。主な役割は外部刺激が加わったときに、その衝撃を和らげるクッションのような働きをすることです。
その他にも、体温保持やカロリー保存といった役目も果たしていると言われています。コラーゲンとエラスチンが粗い網をつくりだし、その間を脂肪細胞が満たしています。
表皮の上にも1層!?
表皮の角層が、私たちが目にしている「肌」ですが、その上にとても大事な膜があります。それが皮脂膜。皮脂膜は水分である汗と、油分である皮脂が最適なバランスで混ざり合うことでできる膜のことです。
この膜は「天然の保湿クリーム」と言われており、肌にある水分の蒸散を防いでくれます。それだけでなく、皮脂膜は弱酸性であることから抗菌作用が期待されており、外部刺激から肌を守るサポートをしてくれています。
そのため、水分と油分のバランスが崩れて皮脂膜が形成されないと、外部から雑菌などの侵入を許してしまい、肌トラブルの起きやすい肌となってしまいます。皮脂膜は肌を構成する層としてはカウントされませんが、第4の層と言っても過言ではないほど、とても大切なものなのです。
肌構造を理解して適切なアプローチを
シミ・シワ・たるみなど、代表的な肌トラブルが肌のどの部分で起きているのか、肌の構造がわかれば一目瞭然です。どのスキンケアアイテムを使うか迷ったときは、肌のどの部分にアプローチしたいのかによって選ぶのが良いでしょう。
肌トラブルの改善や予防をするのに、ぜひお役立てくださいね。
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元美容部員の経験と知識を活かし、美容ライターとして活動中。コスメコンシェルジュ・ ナチュラルビューティースタイリストの資格を保有。女性がいつまでもキレイで輝けるお 手伝いができるような情報をお届けします。